センター長挨拶
新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
今年は阪神・淡路大震災から丸29年を迎えます。
昨年は世界屈指の野球場の聖地、西宮市にある「甲子園球場」を本拠地とする阪神タイガースが、38年振りの日本一に輝くなど、スポーツ界では明るい話題に終始しました。
しかし、今年は元日から能登半島付近の北陸地方での大規模な地震が発災して、大変な状況が続いております。サポートセンターも早々に被災地支援申込をさせて頂いておりますが、熊本地震よりも被災者支援業務(危機管理対応)の遅れが目立つのが残念です。BCPはもとより、迅速・正確な被災者支援業務の完全履行にはJ-LIS被災者支援システムをおいて他には存在しません。
今後共、次々と発生する災害やパンデミックや戦争など住民の命を守るための危機管理の重要性が一層認識される中、真に住民の「命を守る」汎用システムとして開発した我々のJ-LIS(国)の被災者支援システムは総合防災情報システムの基盤としてだけではなく、今や行政施策に対する「住民総合支援システム」と評されるに至りました。ここに至るまでの皆様のご支援・ご協力に深く感謝申し上げます。
新年早々には飛躍的に進化したJ-LIS被災者支援システムVer.10.0の公表と新年度にはLGWAN-ASPクラウド型プレミアム版が公開され、正しい自治体システム標準化&ガバメントクラウドの先例となるでしょう。
引続き、国(J-LIS)直下での多面的対応力を十二分に発揮できるように、オンプレミス(既存ローカル)版を基軸にクラウド型プレミアム版との二刀流により、日本全土の危機管理対応の完璧化を期すと共に、
ここに改めて「最善を望み、最悪に備えよ!」を提言します。
そのためにも、被災者支援システム全国サポートセンターはいざという時(危機管理下)において、被災地支援(被災者支援業務)等々、全面的支援を無償でさせて頂きますので、遠慮なくご活用頂きますようお願いいたします。
令和6年 元旦
「被災者支援、復興、そしてその先の未来へ」
被災者支援システム全国サポートセンターのホームページへようこそ。
地方公共団体の最大の使命は、住民の暮らし・生命・財産を守っていくことにあります。平時においては、それは行政サービスや福祉の充実を通して実現していくことになります。しかし、一旦非常時になったとき、時間の猶予のまったくない中、住民の暮らし・生命・財産を守り、復興していく使命が、地方公共団体とその職員に課せられることになります。「その時」が到来したとき、対処できる準備はできているでしょうか。
「その時」はいつ、どのような形で到来するかわかりません。
阪神・淡路大震災や東日本大震災のような震災は、遠からず東南海地震として再び日本を襲う可能性があります。集中豪雨や台風の発生数も長期的に増加傾向にあり、地球温暖化が進む中、今後も頻発することが懸念されています。新型コロナウイルス感染症(covid-19)のような世界的なパンデミックは、今後も起こる可能性が指摘されています。
そして、このような危機の到来がもたらすのは、私たちの社会の脆弱性です。時として、それはあまりにも残酷な形で露呈し、より大きな二次的な影響をもたらすことになります。東日本大震災時の津波や原子力事故、新型コロナウイルス感染症による医療体制の逼迫や経済的なダメージなどはその代表的な例ですが、さらに多くの、あまり報じられないような影響が多方面に発生し、それらは一人ひとりの住民の暮らし・生命・財産を脅かしています。
このような予測できない危機への完全な備えは、難しいことは確かです。しかし、だからこそ、今できる準備を、最善を尽くして備えていくことが大切なのです。
1995年の阪神・淡路大震災は、戦後の日本を襲った大規模災害史の転換点でした。多くの死傷者、家屋の倒壊、役所の機能喪失など、それまで考えられなかった事態の到来でした。当時、私が奉職していた西宮市も、活断層が市の中心部を横断する形だったため、大きな被害を受けましたし、私自身も家屋が全壊するという経験をしています。そして、残念ながら、当時の西宮市は、そのような危機に対する備えがほとんどできていませんでした。
そのような危機が起こった時に、もっとも必要とされたのは「情報」でした。もちろん、資金や資材、人材など必要なものはたくさんあります。しかし、情報なしには全く動けませんし、その後の復興の動きにもつなげていくことができないのです。そのことは同様の経験をした地方公共団体の職員は痛感しておられると思います。西宮市もそうでした。
しかし、幸いなことに当時の西宮市では情報部門の職員が自らシステムを設計・構築する体制ができていたため、危機の大混乱の中、初代の「被災者支援システム」を構築、即座に運用開始することに成功しました。
そして、被災者支援や復興業務に携わりながら、危機管理や復興業務の現場の実情や利便性に最適化する形で、システムの改良や機能拡充を行うことを通して、危機にうまく対応することができました。その後、西宮市は危機の備えに活用していただくべく、被災者支援システムを全国自治体に無償で公開することになりました。
私たちが提供しているのは、この西宮市発の「被災者支援システム」を発展・充実させ、さらに最新の知見や経験も反映したバージョンとなります。しかし、その底にあるシステムの基本思想は、一貫してゆらぐことなく、住民のため、そしてそれを支える地方公共団体職員のために最適化された危機管理システムであり続けています。
このシステムを全国の地方公共団体で活用していただくために、当センターは全力でサポートさせていただきます。団体としての取り組みはもちろん、心ある職員の方からのご連絡も大歓迎です。また、残念ながら危機が発生してしまった直後であっても、できる限りのサポートをさせていただきます。どうかお気軽にお問合せ、ご相談ください。私たちは、常にあなたとともにあります。
J-LIS(地方公共団体情報システム機構)
被災者支援システム全国サポートセンター
センター長 吉田 稔
概要
阪神・淡路大震災で被災した経験を基に、地震や台風などの災害発生時における地方公共団体の業務を総合的に支援することを可能にする「被災者支援システム」が兵庫県西宮市で開発され、平成17年度には、汎用Webシステムとして当時の財団法人地方自治情報センター(LASDEC)の地方公共団体業務用プログラムライブラリに登録し、全国の地方公共団体に無償で 公開・提供されてきました。
「被災者支援システム全国サポートセンター」では、システムの導入、運用、操作方法等に関する問合せに幅広く対応しています。
●対応時間:平日の午前9時~午後5時
●問合せ方法:電話、FAX又は電子メール
●問合せ先:被災者支援システム全国サポートセンター
・電話番号:0798-32-8866
・FAX番号:0798-32-8865
・電子メール:
地震発生直後の時を刻んだままの時計
(西宮中央商店街)
●「利用申請の手続き」「デモサイト」「システムダウンロード」などご利用についての詳細はこちら
被災者支援システムの開発経緯
(●被災者支援システム関係、▲西宮市関係 、◆吉田センター長関係)
- 1995.1.17
- ●
阪神・淡路大震災発生
阪神・淡路大震災における被災者支援を中核とする、震災業務(被災者)支援システムの構築
- 1995.4
- ▲
西宮市情報センターでの本格的な地域情報化推進
震災後の仮設住宅や仮設庁舎などの画像情報(地図)の提供とE-MAILサービス開始
- 1997.3
- ▲
情報センターからインターネットの世界へ
WWWサーバの立上げとホームページの開設
- 1998.4
- ▲
インターネット(HP)で例規集配信
市の条例、規則等例規集の検索サイト開設(県内初)
- 1998.4
- ▲
インターネット(HP)で都市計画情報配信
日本初の都市計画情報サイト「都市計画用途地域図照会」システムを自己開発、運用開始
- 1998.10
- ▲
インターネット(HP)でWebGIS配信
自治体初の地図案内サービス「道知る兵衛」システムを自己開発、運用開始(Googleに先鞭)
- 1999.3
- ▲
インターネット(HP)で選挙開票速報配信
日本初の「選挙開票管理」システムを自己開発、4月統一地方選挙で運用開始で大成功
- 2000.9
- ▲
福祉情報サイト開設
高齢者福祉や介護保険情報サービス(該当施設、空き情報等々)として、
「高齢者あんしんネット西宮」を開設稼働
- 2000.11
- ▲ 西宮市のホームページが日経インターネットアワード2000で「日本経済新聞社最優秀賞受賞」(日本一)
- 2001.4
- ▲
イントラネットシステムの自己開発
グループウエアとして「統合OAネットワークシステム(NAIS-NET)」を全庁的に稼動させると共に
福祉における横断的システムとして「地域安心ネットワークシステム(避難行動要支援者管理)」稼働
- 2001.9〜10
- ▲
組織等の精査・統合
パソコン通信「情報倉庫にしのみや」閉局
情報システム課において情報化部門の一元化
インターネット(HP)上でも職員向けネット「NAIS-NET」開設(OB及び議員もどこからでも活用可能)
- 2003.3
- ▲
地域公共ネットワーク整備へ
総務省地域イントラ基盤施設整備事業交付決定
総務省「eまちづくり交付金」交付決定
- 2003.4
2003.8 - ▲
自治体協働(システム使用許諾)
京都府八幡市「道知る兵衛」稼働
和歌山県和歌山市「道知る兵衛」稼働
- 2004.3
- ▲
eまちづくり交付金事業
心と身の健歩マップ「ちずナビ隊」開設・稼働
- 2004.4
- ▲
全市高速ネットワーク網の完備・活用
地域イントラ運用開始(情報端末「情報見聞録」)
西宮市総合行政情報システムの基盤整備完了
(行政情報、地域情報及び教育情報システムの統合)
- 2004.10
- ●
台風23号と新潟県中越地震
台風23号により、再び震災業務支援システムにおける汎用版Web版「被災者支援システム」初稼働
(この際に「地域安心ネットワークシステム」が大貢献)
新潟県中越地震の被災地に被災者支援を申し出る
併せて「新潟県中越地震支援道知る兵衛」開発
- 2005.3.20
- ●
福岡県西方沖地震
被災地福岡市にITによる被災者支援を申し出る
- 2005.4
- ▲
大阪府「わが町マップ」開設
関西情報センター(KIIS)による「道知る兵衛」を活用したASP事業
- 2005.7
- ▲ 日経BP社「e-都市ランキング」日本一
- 2005.11
- ▲ 自治体情報化ランキング日本一
- 2005.12.1
- ●
ライブラリ登録
当市「被災者支援システム」が独自に自治体が開発したシステムとして選定第1号となる
- 2006.3
- ●
実用実験
自治体汎用システムとして改造した被災者支援システムを国の立会いの下、篠山市で実証実験、大成功
- 2006.4.1
- ◆ CIO補佐官設置就任
- 2006.7
- ●
自治体初の快挙
西宮市被災者支援システムが自治体汎用システムとしてライブラリ登録→全国の自治体が共用可能
「e-都市ランキング」2年連続日本一
- 2006.10
- ▲
全国初の自治体ASP
「市川市道知る兵衛」ASPにて稼働
- 2007.3.25
- ●
能登半島地震
大手メーカーに支援要請
- 2007.7.16
- ●
新潟県中越沖地震
被災地、地元業社、大手メーカー及び関係機関などにITによる被災者支援の申出と協力要請
併せて、LASDECをはじめ、多方面から「被災者支援システム」活用の働きかけ
- 2007.8
- ●
官民連携支援
「新潟県中越沖地震支援道知る兵衛」完成、被災地に活用提言、「刈羽村」、「出雲崎町」が利活用
- 2008.3.28
- ▲ 阪神・淡路大震災での危機管理意識を風化させないため「震災写真情報館」開設(CIO補佐官開発)
- 2008.3.31
- ◆ CIO補佐官現役引退
- 2008.4
- ◆ 市川市GIO就任(非常勤特別職)
- 2008.6〜8
- ●
総務省等の広報啓発事業
被災者支援システムの事前導入に向けて全国展開へ
- 2008.11
- ●
被災者支援システム全国サポートセンター開設
西宮市情報センターが被災者支援システムの全国配布展開に向けて
サポートセンターとして活動開始(運営主体)
- 2009.1.17
- ●
震災後丸(苦節)14年
苦節14年、総務省は「被災者支援システム」を全国全ての自治体情報部門に配布(1852団体)する
- 2009.5
- ●
被災者支援システムのバージョンアップ
当該バージョンアップ(Ver3.0)では法改正対応及びシステム関連系並びに操作性の改善
- 2009.10.1
- ◆
総務大臣表彰受賞
CIO補佐官、これまでの実績が評価され、情報化月間において総務大臣表彰個人受賞する
- 2010.4
- ◆
立命館大学大学院公務研究科非常勤講師
「行政情報システムと自治体GIS」をテーマに講義
- 2010.7
- ●
被災者支援システムバージョンアップ(Ver4.0)
サブシステム追加
・復旧・復興関連(WebGIS連携)システム
・システム間連携強化及び実務面の改善
- 2011.3.11
- ●
未曾有の東日本大震災発生
被災者支援システム全国サポートセンター、全日フル稼働
- 2012.1
- ◆
「要援護者管理システム(避難行動要支援者管理システム)
自治体汎用システムとしてライブラリ登録(個人名義での登録)→全国の自治体が共用可能
- 2012.1.17
- ●
「被災者支援システムVer5.0」発表
東日本大震災等被災地対応での経験及び教訓を盛込む
- 2012.3
- ● 東日本大震災被災地及び危機管理対応重視のため、市川市及び立命館大学大学院役職辞職
- 2012.10〜
- ● 危機管理講演及び被災者支援システム普及・啓発事業で全国行脚を毎年行う(出前講演)
- 2013.3.11
- ●
「被災者支援システムVer5.5」発表
WebGIS連携の強化及び要援護者支援の充実
- 2013.4
- ●
LASDECライブラリ事業閉局
被災者支援システム全国サポートセンター事業継続
「避難行動要支援者管理システム」(ライブラリ個人登録済) も個人等でサポート及び導入支援継続
- 2013.6
- ●
災害対策基本法の改正
罹災証明書の発行業務、被災者台帳及び要援護者台帳の整備は義務付けられ
災害時における台帳の目的外利用も可能となる
- 2013.11~
- ● 出前講演開始(昨年度に続き、危機管理講演及び被災者支援システム普及・啓発事業で全国行脚)
- 2014.4
- ●
地方公共団体情報システム機構発足(L-LIS)
(財)地方自治情報センター(LASDEC)が」機構へ移行
- 2014.4.18
- ● 「被災者支援システムVer6.0」発表
- 2014.9〜
- ● 危機管理出前講演開始
- 2015.3
- ◆ CIO補佐官退任
- 2015.4
- ◆ ITアドバイザー就任
- 2015.4
- ●
「被災者支援システムVer7.0」発表
サブシステム「被災予測等・復旧復興関連システム」名称変更(シミュレーション機能を追加)
- 2015.7
- ● 危機管理出前講演開始
- 2016.1
- ● 関東東北豪雨被災地常総市より支援要請があり、即刻、全面支援開始
- 2016.4.14
- ● 熊本地震発災
- 2016.4〜
- ● 西宮市方式採用被災地は被災者支援業務が順調に進む
- 2016.8
- ◆
狭山市情報政策官就任
台風9号における埼玉県被災地での被災者支援システム活用における成功事例(狭山市)
- 2017.4
- ● 「被災者支援システムVer8.0」発表
- 2018.5
- ● 「被災者支援システムVer9.0」発表
- 2019.3
- ◆ 狭山市情報政策官退任申出受理
- 2019.5
- ● 「被災者支援システムVer9.01」発表
- 2019.6.18
- ●
夜半に山形及び新潟県を中心に地震発災
被災地支援申込(被害少なく出入りの業者に対応要請)
- 2019.9.9
- ● 台風15号(令和元年房総半島台風)、上記連続する15、19号台風による被災地支援
- 2020.4
- コロナ関連における特別定額給付金事業による被災者支援システムの改修と簡易版システムの開発
- 2020.7.3〜
- ●
九州北部豪雨が広範囲(東日本まで)に広がる(令和2年7月豪雨)被災地支援
以降内閣府による罹災証明書統一書式に対応
- 2021.1.15
- ● 「被災者支援システムVer9.5」発表
- 2021.4.1
- ●
新体制でのJ-LIS被災者支援システム全国サポートセンター継続運用
- 2022.1
- コロナ関連における非課税世帯特別給付金事業による被災者支援システム及び簡易版システムの改修
- 2024.1.1
- ●
令和6年能登半島地震発災
被災地支援申込
- 現在に至る
導入支援企業一覧
被災者支援システム全国サポートセンターが行いましたシステム導入の技術講習会に参加され、導入支援業者として紹介する企業様・法人様は次の通りです。
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